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タバコの火がもう一度

第5章 残り火

2度目の大会が終わりケガをしてしまった後悔も薄れてきた頃、僕は車を走らせていた。その日は大雨で先輩達が帰る手段がないとのことで僕が車を出して一人一人家まで送っていた。

「ぽんたすまんなー。こんな雨なるとかゆうてなかったのになー!はっはー!」

「いいですよ別にー(。-_-。) あー焼肉いきたいなぁー😜」

「はっきりおごってくださいと言え!」

「へへ😜ごちです!笑」

松尾さんに焼肉をせがりながら家まで送り届けた。


ラインッ


「ぽんたー毎回毎回、部活で車出してもらっててごめん😭 今度何かおごらせてください😭😭」


なつみさんからだ。何度も何度も心を奪われそうになるけど、その度に我慢してきた。今度もそう。2人でごはんに行くなんて、我慢できるわけがない。断ろうと思った。


「いやーそんなの全然気にしなくていいですよ!😜 松尾さんに焼肉おごってもらえることなったんで!笑」

「いやいやー私がおごりたいんよー!ほんま毎回迷惑かけてるからさ😭」



もっと素直になれたなら、もっと2人でいられたのに。もっと2人で色んなところへ行けたのに。もっと2人で、、、


「わかりましたー(。-_-。) 何おごってくれるんですかー??」


「なんでもいいよ!イタリアンでもフレンチでも、、ラーメンでも!笑」


「イタリアンやらフレンチやらおごる気ないでしょ(。-_-。) ラーメンで十分ですよ!笑」


「ばれたー?😜 ほなラーメンね!どっかいきたいとこある??」


「ばればれです(。-_-。)笑 バス通り沿いにあるラーメン屋行ったことありますか?結構評判いいですよ!」

「えー!ないー!!ほなそこいこ!!」


かなには言ったほうがいいよな。言ったら嫌がるかな。でも言わずに行くのはなぁ。そもそも行ったらあかんよな。行ったらどういう気持ちになるか、自分でも手に取るように分かっていた。分からないふりをしていた。


当日
結局かなには友達とごはんに行ってくると言い、あなたとごはんに行くのを隠してしまった。何もない。お互い付き合っている人がいるんだから。意識しているのは自分だけ。。。

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