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タバコの火がもう一度

第5章 残り火

「ラーメンめちゃ並んでるやんー!ちゃんと予約しといてよぉ(。-_-。)笑」

「ラーメンなんて予約できないでしょ!並ぶの嫌ならお金だけもらっとくんで車で待っててください(。-_-。)笑」

「えーーわたしもラーメン食べたいもんー。そんなことゆうならおごらんぞ!!笑」

しょうもない掛け合いをしながら行列に並んでいた。遊園地で並ぶこと、渋滞に巻き込まれること、ごはんに並ぶこと、何かを待つのはわりと苦手な方だった。ただあなたといると、何も苦痛ではなかった。あなたが横にいるだけで幸せだった。


「ご注文は?!」

「えーっとーブラックラーメンと、なつみさんは??」

「そのブラックラーメンて美味しいんー?」

「うん!チャーシュー分厚くて俺はめちゃんこすき😜!」

「ほなそれにするー!ぽんたのまねー😜」

かわいい。。。



「ブラック2つで」


あなたの笑顔に見とれてしまってとても小さな声で注文した。

「ぽんたさーほんま毎回先輩ら送らせたり、雑用させてごめんやでー。わたしももーちょい仕事配分考えるね!笑」

「ほんまそれですよー!僕ばっかりに仕事おしつけて(。-_-。)」

「だってなんか頼みやすいんやもんー。なんか弟?みたいな?😜笑」

「弟って、笑 もー言いなりにはなりませんよ!!笑」

「うそうそ! いつも色々やってくれて感謝してるで^ ^」


蓋したはずの気持ちがいつのまにか溢れでてきて、こうなるのは分かっていたのに、あなたを思う気持ちがとまらなかった。

また自分に言い聞かせた。ただの先輩とのごはん。何もない。何も。


「え!?なんで2人で??」

後ろから聞き覚えのある声がした。
同じ部活の牧田だった。

「あ、牧田。いやたまたまラーメン食べたいなってこの前2人で話してて、ね、なつみさん?笑」

「う、うん。ほんまに何もないから!牧田いらんことゆうなよ!!」

「へ、へーーい。。」

この時僕は見ていたんだ。あなたが一瞬とても悲しそうな顔をしていたのを。あの時聞けばよかった。なんでそんな顔をしてるの?
わかっていたはずなのに。


ラーメンを食べ終わりあなたを家まで送り届けた。
おつかれさまですと、会釈をした。
あなたの家に彼氏の車が止まっているのを見た。
あなたが目をこすっているように見えた。



もう一本だけ吸って寝よう。もう一本だけ。
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