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タバコの火がもう一度

第4章 真夏日

あなたに恋した夏から1年が経った。
大会に向けて合宿をしていた僕たちは黒焦げになりながら練習に励んでいた。

「おいぽんた!そんなんじゃ今回もレギュラーなられへんぞ!」

「すいません!!明日のレギュラー決めの試合では頑張ります!!!」


この夏は部活でレギュラーになることにかけていた。何かに夢中になることは性に合っていた。この合宿で絶対にレギュラーを勝ち取ってやる。意気込みだけが先走ってしまったのか、僕はこの合宿で大ケガをしてしまった。太ももで肉離れを起こしてしまい、大会に出ることは愚か練習することもできなくなった。

「はぁーなんで頑張った分報われへんのかなー。」


みんなが練習しているのを1人で眺めていた。あなたのことは気にしていなかったわけではないが、少しだけ目で追っていた気もする。少しだけ。



合宿最終日
男女で合宿の打ち上げをすることになり、ホテルの宴会場に集まった。あなたはいつにもましてきれいで、みんなからも注目を浴びていた。僕もその中の1人だった。お菓子やお酒を大量に買ってみんなでわいわいするのはとても好きだ。あなたと話す機会も増えるし。。。。



「ぽんたー足大丈夫なん??」

とても久しぶりに会った気がする。今日までずっと合宿で一緒にいたはずなのに。


「大丈夫じゃないですよー!もー大会も出られへんし最悪。」

「まあレギュラーとれてたかわからんやん?😜」

「それいわんとってください!!笑」

「ごめんごめん😜笑 わたしの部屋に痛み止めあるけどもってきてあげよか??」

あなたの優しい声が
あなたの笑顔が
あなたの仕草が
だれよりもきれいなあなたが
大好きだった。


「え 僕のこと心配してくれてるんですか?😜なつみさん優しい!!笑」

「そら心配やよー。めちゃ痛そうやったやん!すぐとってくるな!」


蓋をしていた気持ちが溢れ出そうになった。こんな些細なことなのに。

あなたにもらった薬は全然肉離れには効かなかったよ。だけど心はとても安らいだ。あなたと話しているときは、かなのことは忘れてしまう程、無意識にあなたと2人の空間を楽しんでしまっていた。あの時お互い素直になれていたら、もっともっと幸せな時間を過ごせたのに。


先輩が吸っているタバコをもらい火をつけた。
いつもと違う味。
だけどなんだか吸いやすかった。

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