自分であるために
第8章 アンタがいるから
「いいから早く着替える!」
「はーい!」
今日は、ハンドメイドの展示即売会からの薫がロリィタ以外のゆめかわガーリーな洋服を着てみたいと言うので、会場近くのモールでショッピングだ。
「どうっ?」
「可愛い! それも似合ってるなあ!」
俺の語彙力の所為でそれしか言えないのだが、眠っていたロリィタ服たちは、薫のおかげで日の目を見て、嬉しそうにしている……ような気がする。
今日は、金髪姫カットのウィッグに某ゆめかわキャラクターよろしくなサクピンメイクを施す。薫は、キャラクター風コーデなどもよく似合う。
「はい、完成!」
「わぁ~ホント、さすがだね!」
「ありがと」
薫の言葉もまんざらではなくて、薫に褒められてから、夢を持てるようになった。メイクアップアーティストになりたい。それは女の子の夢なんだって勝手に決めつけていたけれど、調べてみるとどうやらそういうわけでもないらしい。夢なんて持ったって仕方ないって思っていたけれど、俺だからできることをしたいと今なら言える。過去の努力が報われるような、そんな気がする。
「じゃ、行こっか」
「うんっ!」
いつものように駅のロッカーにキャリーケースを預けてから、電車で会場へと向かった。
「はーい!」
今日は、ハンドメイドの展示即売会からの薫がロリィタ以外のゆめかわガーリーな洋服を着てみたいと言うので、会場近くのモールでショッピングだ。
「どうっ?」
「可愛い! それも似合ってるなあ!」
俺の語彙力の所為でそれしか言えないのだが、眠っていたロリィタ服たちは、薫のおかげで日の目を見て、嬉しそうにしている……ような気がする。
今日は、金髪姫カットのウィッグに某ゆめかわキャラクターよろしくなサクピンメイクを施す。薫は、キャラクター風コーデなどもよく似合う。
「はい、完成!」
「わぁ~ホント、さすがだね!」
「ありがと」
薫の言葉もまんざらではなくて、薫に褒められてから、夢を持てるようになった。メイクアップアーティストになりたい。それは女の子の夢なんだって勝手に決めつけていたけれど、調べてみるとどうやらそういうわけでもないらしい。夢なんて持ったって仕方ないって思っていたけれど、俺だからできることをしたいと今なら言える。過去の努力が報われるような、そんな気がする。
「じゃ、行こっか」
「うんっ!」
いつものように駅のロッカーにキャリーケースを預けてから、電車で会場へと向かった。