自分であるために
第3章 俺が出逢ったアタシ
「待って!」
去ろうとすると腕を握られた。気持ち悪……あれ、気持ち悪くない。ゴツゴツした男性の手なのにこの違和感は何だろう。
パッと目にとまったのは、爪先。透明なジェルネイルに軽く小さなストーンが施されていた。長袖からチラりと赤い薔薇のブレスレットも覗いている。よく見るとヴィヴィアンのアクセサリーもつけているがメンズものではなくレディースものをつけている。大好きなブランドだから分かる。
「あなた、その顔は気づいたわね。アタシも同じ。アタシがお兄さんじゃないようにあなたはお姉さんなんかじゃない。あなたの姿を、目を見た瞬間に分かったの。あぁ、あなたはアタシだって。だから放っておくことなんて出来ない。さあ、選びなさい。アタシと一緒にココに入るか、また危険な目に合うか」
「……一緒に入ります」
去ろうとすると腕を握られた。気持ち悪……あれ、気持ち悪くない。ゴツゴツした男性の手なのにこの違和感は何だろう。
パッと目にとまったのは、爪先。透明なジェルネイルに軽く小さなストーンが施されていた。長袖からチラりと赤い薔薇のブレスレットも覗いている。よく見るとヴィヴィアンのアクセサリーもつけているがメンズものではなくレディースものをつけている。大好きなブランドだから分かる。
「あなた、その顔は気づいたわね。アタシも同じ。アタシがお兄さんじゃないようにあなたはお姉さんなんかじゃない。あなたの姿を、目を見た瞬間に分かったの。あぁ、あなたはアタシだって。だから放っておくことなんて出来ない。さあ、選びなさい。アタシと一緒にココに入るか、また危険な目に合うか」
「……一緒に入ります」