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あと3秒だけ。

第8章 ひとつになるとき。


奥さんからのメッセージを確認した貴久は

小さくため息をついて

私の横に座った。


『有紗?』

『あっ!』


貴久は私の手を握ったが

反射的に思わず手を離してしまった。

思わず無言になるふたり。


『ごめんなさい・・・』


重たい空気のなか、言葉を発したのは

私だった。


『え?』


『ごめんなさい…私・・・。
神田代理に奥さんと子どもがいるのに・・・っ』


貴久は、ぎゅっと私の手を優しく握った。

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