好きって言わない!
第10章 まっさらにのちゃん。
A「くふふ、翔ちゃん可哀想だったかな?」
N「いつも自信満々でカッコつけてんだ、たまには泣かせてやっても良いだろ。」
もうすっかり暗くなった道を、まーくんとノンビリ歩く。
やっと、2人きり。
お腹が空いたと煩いので、コンビニに寄って肉まんを買った。
半分食べてお腹いっぱいになってしまったけど、残りはまーくんが食べてくれた。
ジュースも半分こして、
いつの間にか俺のカバンを持ってくれていて。
まーくんの下らない話に呆れながら笑うと、俺の事を可愛いと言う。
昔からそうなのに、何でこんなドキドキしちゃうんだろうな。
“好き”ってスゴイな。
家の前まで帰ってきて、もうバイバイかと寂しくなった。
もっと一緒にいたい・・・
A「じゃあまた明日ね!」
笑顔で手を振るまーくんを見て泣きそうになった。
やだ、バイバイしたくない。
A「にのちゃん?」
バイバイしたくない。
A「・・・ウチ来る?」
N「うん。」
A「くふふ、じゃあ入ろ。」
おかしそうに笑ったまーくんが、俺の手を引いて玄関に入る。
おばさんはもう帰ってきてるみたいだ。