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好きって言わない!

第11章 翔と潤の場合。




S side





足が痺れてきた・・・




S「クソ、何でこんな事に・・・」




胡座をかいて座っている俺の膝で、気持ち良さそうに眠っているブサイクな猫。




そして。




S「・・・・・。」




俺の太腿を枕にして気持ち良さそうに眠っている松本。




俺がこの世でキライなもの。
猫とヤンキーがダブルで俺の膝を占領している。




なんの拷問だこれは!!




やれ爪切りだやれブラッシングだと猫の世話を焼いていた松本。
ニノに言われたからではないが、俺は今マタタビの木なんだと自分に言い聞かせ黙って耐えていたんだ。
動いて引っ掻かれたら嫌だし。




あらかた世話を終えると、松本はうつ伏せに寝転んで猫と同じ目線になった。
何が楽しいんだかニコニコしながら猫を撫で続けていた。




そのうち、眠ってしまった猫。
松本までウトウトし始めた。
そのままカクンと首が折れ、俺の太腿を枕に熟睡しだしたのだ。




こんな子供みたいな寝方をする高校生がいるんだな。
トトロに出てくるメイちゃんかお前は。
じゃあトトロか俺は。




S「はぁ・・・こいつ、どうしたもんかな・・・。」




正直、調子が狂っていた。
バカな坊っちゃんがグレてるだけだと思ってた。





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