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好きって言わない!

第11章 翔と潤の場合。




M side




S「意外と、お前に興味を持ったんだろうな。」




M「意味が分からねぇ。
お前、俺の事嫌いなんだろうが。」




S「嫌いだよ。
甘えん坊のガキなんか腹が立ってしょうがない。」




そう言って立ち上がった櫻井が俺を見下ろす。




S「でも、寝顔が美人だったからな。」




M「・・・は?!」




S「また来る。
1人暮らしだと気兼ねなく来れるなぁ。」




俺の嫌いなすました笑い方をして、スタスタと玄関へ歩いていく櫻井。




M「おいコラ!待て!」




S「うるせぇな、もう帰るんだよ。
また来てやるから。」





その言い方じゃまるで俺が寂しくて引き止めてるみたいじゃねーか!!




M「もう来るな!!」




S「そうだなぁ、次もマタタビを持ってくるか。
そしたら、またお前は俺の膝で眠るのかな・・・?」




M「なっ・・・!!」




意地の悪い顔で笑って、俺の髪に触れた。
そういえば、寝てる時もこんな風に頬を撫でられた気が・・・




M「寝るわけねーだろーーーーーっ!!」




玄関から櫻井を蹴り飛ばして、ソッコーで鍵を締めた。
なんなんだあいつ!!
マジで意味分かんねぇ!!




勝手な事ばっか言いやがって・・・




“ 拗ねてたって仕方ねぇんだよ。
大人になれ。”




ここへ来てすぐ、櫻井は言った。
全て見透かされてるような鋭い事を言うくせに、さっきみたいに急にふざけて・・・




良く分からない男だ。
本当にまた来るんだろうか。




M「嫌だなぁ・・・」




また足でも痺れて苦しめば良いのに。




M「・・・・・。」





そんな意地悪な事を思った罰だろうか。
櫻井の足が痺れた原因が何なのかを思い出して、顔が熱くなった。






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