好きって言わない!
第2章 知らんぷりの恋。
家に帰れば会えるから良いんだけど。
N「・・・って、別に寂しがってるわけじゃないぞ!」
玄関で大きな独り言を言ってしまって、後悔する。
俺キモチワルっ・・・
真っ直ぐ帰ってきてしまったので、まーくんが帰るまでかなり時間があった。
誰もいない家の中はヒマだ。
ゲームをして、勉強をして、漫画を読んで・・・
どれも飽きたので風呂に入った。
それでもまだまーくんの帰ってくる時間にならない。
“ だって、誰かが待っててくれるのって嬉しいじゃん。”
ふとまーくんの言葉を思い出す。
N「・・・しょうがねぇな。
待っててやるか、ヒマだし。」
最近使っていなかった相葉家の合鍵を持って、すぐ隣に向かう。
春先はまだ少し冷えるが、近いから良いかとスウェットだけできたのは間違いだったかもしれない。
まーくんの部屋に来て呆れた。
窓が全開だ。
N「なんて不用心な奴なんだ・・・」
網戸まで開いてんじゃねーか。
虫入ってたら嫌だな・・・
てか寒いっ!!!
窓を閉めても冷え切った室内は寒くて。
かといって、家主がいないのに勝手に暖房をつけるのも気が引ける・・・
何気に誰もいない相葉家に居るのは初めてだ。
まーくんがちょくちょく鍵を忘れるから、俺が持ってる鍵を使うことはあったけど。
賑やかなまーくんが居ないと、いつもより部屋が広く感じるな・・・
N「・・・っくしゅん!」
ろくに髪を乾かさなかったから、余計に寒い。
まーくんのベッドにあがって、布団にくるまった。
とりあえず温まろう。
くるまったままコテンと寝転んで、目を閉じる。
ヤベ、寝ちゃいそう・・・
そう思った時にはもう遅くて。
まーくんのニオイがする温かい布団の中で、あっという間に睡魔に負けてしまった。