好きって言わない!
第13章 俺のもの。
N「え?!」
腕を引っ張ったのは翔。
俺を抱きとめると、ニッコリと笑った。
目の前に翔の顔があって、さすがに戸惑う。
何のつもりだよ!!
S「お前、軽いな。」
N「何言って、」
A「何やってんの?!」
部屋に帰ってきたまーくんが、俺らのところへ飛んできた。
強く腕を引っ張られて、翔から引き剥がされる。
A「にのちゃんに何してんだよ?!」
まるで翔から隠すようにぎゅうっとまーくんの腕の中に閉じ込められて、苦しい。
S「あははははははっ!」
A「何笑ってんの!!」
笑い過ぎて涙目になった翔が、まーくんの腕の隙間からなんとか顔を出した俺を見て、ほら見ろ、という顔をした。
N「・・・。」
翔に、ヤキモチ妬いたってこと?
S「んな怒るなよ。
別に良いだろ?スキンシップだよ。」
A「ダメ。」
S「何で?雅紀だって今ニノを抱きしめてんだろ。」
A「俺しかダメだよ。」
S「ふふっ、何で?」
A「にのちゃんは俺のだもん。」
当たり前のようにサラリと言ってのけるまーくん。
爆笑してる翔を、キョトンと不思議そうな顔で見ている。
・・・もう。
なんなんだよ。
俺がまーくんのものって、そんなの誰が決めたんだよ。
S「ふははっ、じゃあ、俺は触っちゃいけないわけだ。」
A「当たり前じゃん。気をつけてよ?」
また爆笑してる翔と、何で笑われてんのか分からずに怪訝な顔のまーくん。
俺は、何て言っていいのか分からずただ真っ赤になってまーくんの腕の中でおとなしくしていた。
恋愛感情が無いにしても、まーくんも俺を特別に思ってくれてる。
それは分かってたけどさ。
でも、やっぱこんな風に言葉や態度で示されると嬉しい。
ニヤけてしまいそうな顔を隠したくて、まーくんの胸にきゅっと抱き付いた。
すぐによしよしと撫でてくれるまーくんの手。
それを見た翔がまた爆笑した。