好きって言わない!
第2章 知らんぷりの恋。
A「ちょうちょがとまってたんだよ。」
N「・・・は?」
A「この春初めてのちょうちょだぞ?!
捕まえようと思ったんだけど、やっぱ手じゃ届かないから、虫取り網探しに1階降りたんだけど。
母さんに早く学校行けって言われて、そのまま窓の事忘れて出てきちゃったんだな。」
N「・・・・・。」
マジか。
こいつ、本当に高校生??
N「朝っぱらから蝶を捕まえようとするなよ・・・」
いや。朝じゃなくても、高校生なら蝶を捕まえようとなんかしないだろ。
しかも虫取り網って・・・
まだそんなもん持ってんのか。
はぁ、と溜息をついてベッドをおりようとしたその時。
A「・・・あ。ちょうちょ!!」
N「え?!」
まーくんが俺の後ろを指差して叫んだ。
A「にのちゃんの髪・・・っ!!」
N「え、嫌だぁっ!!取ってぇ!!」
虫は大っ嫌いだ!!
気持ち悪いっ・・・!!
慌てて逃げようとして、大きくバランスを崩した。
A「にのちゃん!!」
俺を抱きとめようとしたまーくんに、覆いかぶさるように倒れこんだ俺。
ゴンっと鈍い音と、部活帰りのまーくんの汗のニオイと・・・
柔らかい、唇の感触。
N「?!?!?!」
ガバッと体を起こして、口元を覆う。
まーくんは、固まったまま目を見開いていた。