好きって言わない!
第1章 イケメン幼馴染 まーくん。
物心ついた頃には、すでに隣にいた。
当たり前に。
A「にのちゃん・・・ギブ。」
机を挟んで向かいに座る、茶髪の男。
パタリと机に突っ伏してシャーペンを投げ出した。
N「あのなぁ・・・お前の為に付き合ってやってんだぞ。」
開かれた形跡のないキレイなままの教科書に、落書きだらけのノート。
バカ丸出しだ。
A「今日はもう良いよぅ・・・
何も頭に入んない!」
いちごオレのパックジュースを飲みながら、黒目がちな瞳で俺を伺う。
N「・・・集中力がないのが1番問題だな。」
やる気が無いのに続けても時間のムダだ。
自分の分の教科書をカバンにしまうと、さっさと教室を出る。
N「まーくん、帰るよ。」
A「え、ちょっと待って!」
慌てて教科書とノートをカバンに突っ込んで、俺を追いかけてくる。
ドアまで来たところで、くるっと教室を振り返って、ゴミ箱目掛けてパックジュースを放り投げた。
A「ナイッシュー♪」
N「さすがバスケ部。」
A「へへへー♪まぁね。」
ご機嫌な様子で俺の肩を抱いて歩き出す。
N「やめろよ暑苦しい。」
A「だってちょうど手を置きやすい位置なんだよ。」
俺より頭ひとつ分背の高いまーくん。
子どもの頃は同じような体格だったのに・・・
中学で止まってしまった俺の身長。
クソー。
未だ俺の肩を抱いたままのこいつを睨みあげた。
A「かーわいー♡
にのちゃん、女の子だったら良かったのにね!」
N「お前・・・」
A「ちっちゃいし色白だし女顔だし。
女の子だったらモテモテだったよ絶対!」
気にしている事をズバズバと・・・!!
N「俺が女だったら、お前なんか相手にしねぇよ!!
盛大に振ってやる!!」
A「あははははははっ!!」
N「笑い過ぎだ!!」