好きって言わない!
第18章 それぞれの中間テスト。
A「終わったーっ!!」
教科書をポイと放って伸びをするまーくん。
まぁ、確かにまーくんにしては集中して勉強したほうだけど。
N「まだだよ、今小テスト作ってやってるから。
これ正解したら終わりな。」
A「ええー!!まだあるの?!」
N「さっきやってた問題の応用だから。
ちゃんと理解してりゃ絶対解ける。」
まーくんは勉強嫌いだけど、バカじゃない。
この集中力が続いてる間にできるだけ詰め込んでおきたい。
A「・・・にーの♡」
N「・・・・・。」
机に向かっている俺の頬をつんつんと突つくまーくん。
ヤバイ、もう集中力切れてるかも。
N「おい、あとチョットだから頑張って、」
A「にーのーちゃん♡」
後ろから、ふわっと抱きしめられる。
N「っ・・・、」
まーくんの、ニオイと体温。
耳元で聞こえる息遣い。
勘弁してよ・・・
もうこんな風に俺に触らないでほしい。
チラリとまーくんに視線を向けると、ニッコリと優しい表情で笑っている。
まーくんの大きな手が俺の頬をスルリと撫でた。
A「にの・・・」
俺の頬に手を添えたまま、ゆっくりと近付いてくる唇。
・・・ダメだよ。
パッと顔をそらして、作りかけの小テストに向かう。
N「しょうがねぇからチョット簡単にしてやるよ。」
A「え・・・、」
10問作るつもりだったけど、6問で良いや。
N「全問正解しないとお前のアイスも食っちゃうからな?」
ふふっと笑って、まーくんの胸に小テストを押し付けた。
キスしようとしてたなんて、気付いてない振りをして。
キョトンとしてたまーくんだったけど、すぐに笑って小テストを受け取った。
A「分かったよ、すぐに全部解いてやるからな!」
N「じゃあ5分で解けよ。」
A「5分?!」
慌ててシャーペンを掴んで問題を解き始めたまーくんを見て、ホッとする。
抱きしめられていた感触にまだドキドキしている胸をなんとか落ち着かせようと、まーくんが入れてくれた麦茶を一気に飲み干した。