好きって言わない!
第18章 それぞれの中間テスト。
N「てか、まーくん別にキス下手じゃないと思うし大丈夫だよ。」
A「・・・もうキスしないの?」
俺の腕を掴む手に力が入る。
痛いっつーの・・・
N「だって彼女とキスすりゃ良いじゃん。
俺とする必要なんか無いだろ。」
A「・・・・・。」
何でそんな悲しそうな顔するかな。
泣きたいのはコッチだろ。
お前はハッピーだろうが。
彼女と好きなだけラブラブすりゃ良いだろ?
お前を見る彼女の表情、完全にお前に惚れてたよ。
俺が付け入る隙なんか無い。
このまま中途半端に甘いキスを貰ってたら、俺我慢できなくなるよ。
絶対に手に入らないものを求め続けるなんて、そんなの切なすぎるだろ・・・
だから、俺に求めさせないで。
俺を甘やかさないで。
せめて、ずっと隣にいられる親友でいたいんだ。
好きって言わないから。
N「応援してる。」
精いっぱいの笑顔を作って言うと、
まーくんがユックリと俺の腕を離した。
A「・・・ありがと。」
アイスを食べ終わった俺たちは、おばさんにご飯だと呼ばれるまでまた勉強をした。
集中力の続かないまーくんはちょこちょこ俺にちょっかいをかけて遊んでたけど、もう抱きしめてくる事はなかった。
恋って切ないね。
切なすぎるよ。
最後にキスしておけば良かったかも。
ぎゅって抱きしめられておけば良かったかも。
そんな事を思っても、もう遅い。
晩ご飯は俺の好物のハンバーグ。
大好きなハズなのに、なぜかあまり味がしなくて美味しく思えなかった。