好きって言わない!
第18章 それぞれの中間テスト。
A「・・・にの?」
俯いた俺に戸惑ったような声でまーくんが呼ぶ。
N「・・・もうしなくて良いじゃん。」
A「・・・え?」
泣かない。
これからもまーくんの隣にいたいから、絶対泣かない。
N「今日彼女とキスしてただろ。
あんな人前で良くやるよ。」
ニッと笑ってまーくんを見上げた。
A「え・・・見てたの?!
ウソ!!なんで?!?!」
N「ちょっと用事があって駅まで行ったから。
恥ずかしいカップルがいるなと思ったらお前なんだもん、ビックリだったわ。」
A「え〜・・・ちょっと待って・・・
マジで恥ずかしいんだけど・・・」
真っ赤になって顔を覆うまーくん。
バカ。
N「初キスおめでとうございます。」
A「バカにしてんだろ!笑」
N「してないって、おめでたいなぁって思ってるよ。」
クスクス笑ってやれば、まーくんも困ったような顔をして笑った。
俺の肩にあるまーくんの手をそっとどかして、立ち上がる。
離れようとした俺の腕をまーくんが掴んだ。
A「にの?」
N「なに、くっ付いてたら暑いって。笑」
A「・・・・・。」
N「あ、それでさ、もう俺とキスする必要なくなっちゃったよな。」
A「え?」
N「経験者の彼女に嫌われたくないって言ってキスの練習してたけどさ。
もう彼女とキスしたんだし?」
まーくんの方を見れない。
軽い口調で話して、泣きそうな自分を必死に誤魔化した。