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好きって言わない!

第18章 それぞれの中間テスト。





A side




別れ際、背伸びをして俺にキスをした彼女は可愛かった。
照れたように、イタズラっぽく笑った彼女は確かに可愛かった。




可愛かったのに。




ドキドキしなかった。
いきなりのキスに驚いたし、人前だった事もあって恥ずかしいとは思ったけど・・・




彼女に手を振りながら、にのちゃんの事を考えていた。
にのちゃんなら、背伸びをしないだろう。
きっと、潤んだ瞳で俺を見上げて・・・
そのキスをねだる可愛い瞳に、俺から唇を寄せてしまうに違いない。




たまらなく会いたくなった。
やっぱりにのちゃんと一緒に帰れば良かった。




にのの好きなチョコアイスを買って、猛ダッシュで家に帰った。
汗臭いと抱きしめられないと思って急いでシャワーも浴びた。




勉強をしている間も、にのちゃんに触れる事しか考えていなかったと思う。
早く勉強を終わらせて、キスしたい。
とろんとした瞳になって、可愛いく俺を求めるエッチなにのちゃんを見たかった。




まーくん・・・
甘ったるい声で名前を呼ばれるのが好きだったんだ。
俺の手がにのの体を滑るたびに、泣きそうな声で俺を呼ぶのも。




確かに気持ち良いのもあったけど。
でも、それよりも・・・
にのに求められるのが、甘えられるのが嬉しかった。
求める俺を受け入れてくれるのが嬉しかった。




やっぱり、俺は浮気者なんだ。




彼女がいながら、にのとの関係を続ける気だったんだ。
彼女とのキスを知られたくないと思った自分に気付いて愕然としたんだ。




知られたら、にのが俺とのキスをやめてしまうときっと分かってたんだよ。
だから言わなかったんだ・・・







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