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好きって言わない!

第19章 デート。





数日後の昼休み。




屍のごとく机に突っ伏しているのは、まーくんと松本の2人。




S「惜しかったなぁ。」




ハハハハ、とわざとらしくご機嫌に笑う翔をジロリと睨む。
まーくん落ち込んでるんだから、からかうんじゃねーよ!




A「にのちゃん・・・」




涙目のまーくんが答案用紙を握りしめて俺を見る。
すごく頑張ってたのに・・・
俺も悔しくて泣きそうになってきた。




N「見せて。」




しょんぼりとしながら、俺に答案用紙を渡す。




N「これ、ある意味奇跡だけどな・・・。」




平均点に届かなかった数枚の中、1枚だけ。
俺がつきっきりで教えた数学だけ、満点だった。



満点なんて、俺もとれなかったのに。




N「まーくん、充分凄いよ?
100点満点だぞ?
他のだって、別に悪い点数じゃないし。」




A「・・・全教科平均点以上が目標だったんだ。
勉強の配分をもっと考えれば良かった・・・。」




N「もう・・・」




そんなに落ち込まないで。
実力テストの成績から考えたら、快挙じゃん。
凄いんだよまーくん。




元気出してよ。




N「・・・来て。」




A「えっ・・・、」




まーくんの手を取って、教室を飛び出した。
翔達がいるとこでは恥ずかしいから・・・
ひと気の無い廊下まで来ると、くるっとまーくんに振り返った。




A「にのちゃん?」




N「・・・いつ?」




A「え?」




N「遊園地、いつ連れてってくれるの?」




A「え?!」




まーくんの手をそっと握って、見上げた。
満点とったんだから、大サービスだよ。




N「デートしてあげる。」




A「ホントに・・・?!」












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