
好きって言わない!
第26章 Painful love。
A side
グイッと体勢を入れ替えて、にのを押し倒した。
潤む瞳で俺を見上げるにのに激しく口付ける。
もう一回聞く勇気は無かった。
にのなら、逆に質問し返してきそうな気がしたから。
俺の事好き?
聞かれたらきっと答えるよ。
好きだって。
でも、彼女の顔が頭に浮かぶ。
彼女へ罪悪感を覚えそうな気がした。
彼女への好きと、にのへの好きは違うはずなのに。
正直、良くわからない。
自分の気持ちに自信がない。
N「んっ、まぁくん・・・
もっとキスして・・・」
愛おしい。
にのが欲しくて欲しくてたまらない。
この感情は何・・・?
A「にの・・・」
N「ん・・・?」
A「俺が彼女と別れるって言ったら、どうする・・・?」
目を見開いて固まったにの。
A「・・・にの、どうする?」
N「・・・・・。」
俺を見つめたままのにのは、少し泣きそうな顔になって俯いた。
A「・・・・・。」
俺はにのになんて答えて欲しかったんだろう。
わけの分からない質問をした。
やっぱ俺最近オカシイわ・・・
誤魔化すようにきつく抱きしめたから、にのがどんな顔をしていたのかは分からないけど。
N「・・・知らないよ。」
俺の胸の中で、ポツリと小さく呟いた。
