好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
A side
N「寂しいってなんだよ!!
お前なんか彼女いるじゃん!!
俺ともキスして、彼女ともキスして・・・っ、
そのうちエッチするんだろ?!」
A「に、にのちゃん?!」
N「だいたい何で翔と・・・!
俺はお前としかあんな事しないもん!
まーくんだからっ・・・!!」
A「・・・・・。」
にの、それって・・・
N「俺、そんな尻軽じゃないもん・・・」
か、可愛い・・・!!
そんな涙目で見つめないで。
我慢が利かなくなる・・・!!
A「にのっ・・・、」
ぎゅっとにのの細い体を抱きしめた。
俺の胸に縋り付くように顔を埋めたにのがポロポロと涙を零す。
N「ごめん、なさい・・・っ、」
A「え?」
謝るのは俺の方じゃないの?
N「見つからないの・・・」
A「・・・なにが?」
N「いっぱい探したのに、見つからないの!
ずっとポケットに入れてたのにっ・・・」
A「にの?ちょっと落ち着いて・・・」
何の話か分かんないよ。
震える肩にそっと手を乗せてにのの顔を覗き込もうとすると、激しく抵抗される。
ぎゅうっと俺にしがみ付いて離れない。
ヤベ、可愛い。
A「にのちゃん、何が見つからないの?」
にのを腕に閉じ込めたまま、背中をポンポンとあやすように撫でた。
N「まーくんと、オソロイのイルカ・・・」
え??
N「無くしちゃったの、ごめん・・・!!
まーくんが買ってくれたのに・・・
すごく嬉しくて、すごく大事にしてたのに・・・
どこに落としたか分かんないのぉ!」
A「え・・・」
うわぁっと泣き出したにのが、俺の体操服を濡らしていく。
泣きすぎだよ、にの・・・
A「ポケットに入れてたの?ずっと?」
泣き続けてるにのは、何も答えずにコクンと頷いた。
正直、驚いた。
にのがあのイルカのキーホルダーをそこまで大切にしていると思ってなかった・・・
オソロイで購入して以来、にのがそれを持ってるとこを見たことがなかったから。
俺がスマホのストラップにしてても何も言って来なかったし。
こっそり大切に持ってたとか、可愛すぎだろ。