好きって言わない!
第28章 ドキドキちょうちょ。
A「ったくもう!!
何で母さんっていつもこんなタイミング悪いんだよ?!」
大きなため息をついて、ガシガシと頭を掻く。
こんな風に苛つくまーくんは珍しい。
N「・・・カッコイイ♡」
A「にのちゃん、俺に見惚れてる場合じゃないよ。
隠れて。」
N「ハッ。」
ガバッと布団を被り直して、もう1度ハッとなる。
N「おい!!自惚れてんじゃねーよ!!
誰が見惚れて・・・!!」
A「ん?」
バスタオルを腰に巻いたまーくんは、ミネラルウォーターを飲んでいた。
ダルそうに前髪をかきあげながら俺を振り返る。
N「・・・っ、」
再び布団に潜り込んだ。
なんだよ!
マジで超イケメンじゃん!超好き!!
キュンキュンしすぎて泣きそう・・・
あいつズルい!!
まーくんがこんな色っぽいタイプだなんて知らなかったもん。
友達の時には知らなかった顔。
チラリと布団からまーくんを覗いてみる。
「雅紀ーーー?!
おやつ要らないのーーー?!」
A「うるさいな!!要らないよ!!
・・・あ、にのちゃん食べる?」
怒鳴ったあとに甘い声で俺を振り返るから、笑ってしまった。
N「ふふっ、食べる♡」
A「母さん!!やっぱおやつ要るー!!」
N「あははっ♡」
「じゃあ後で取りにきなさーい!」
A「・・・上がっては来ないみたいだな。」
ホッと胸を撫で下ろしたまーくんが、ベッドにドサリと座った。
A「・・・・・。」
ふふ、俺の方を見ない。
N「ねぇ・・・どうしたの?」
A「・・・別に?」
N「なに拗ねてんの。」
A「拗ねてねぇし。」
やば、超可愛いんだけど♡
N「・・・セックス、出来なかったね?」
A「・・・。」
N「きゃっ・・・!!」
バッと俺を振り返ったまーくんが、体を起こそうとしていた俺をまた押し倒す。
A「母さん上がって来ないっぽいし。」
N「え、ウソ。やんの?」
A「止めらんねーって!」
こんな余裕のない表情で見つめられたら、俺も興奮しちゃうけどさ・・・
さすがにヤバイでしょ。