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好きって言わない!

第29章 unsuitable。





M side





イライラする・・・。
なんだよ、女に囲まれてデレデレしやがって。




良くあんな貼り付けたような胡散臭い笑顔が出来るもんだな。
なにが王子だ、馬鹿らしい。




ミスコンやら宝探しやら、本当にココは由緒ある名門校なのか?
こんなふざけた学祭なんか真面目にやってられるか。




爽やかな笑顔を振り撒き黄色い歓声を浴びる櫻井を睨みつけて、1人その場を離れた。





誰もいないガランとした教室に戻ると、ホッとため息が出る。
なんかすげー疲れた・・・




ドサッと自席について目を閉じた。
すぐに眠ってしまいそう・・・
宝探しでこんな教室に来る奴なんかいないだろう。




本気でウトウトし始めた頃、静かにドアの開く音がした。




M「・・・・・。」




ああもう・・・
すっげぇ嫌だ。




パーソナルスペースが狭い俺は、人に近寄られるのが得意じゃない。
こんな無防備な状態じゃ尚更。




でも。




気配で誰か分かってしまったから。
本来ならすぐに起きて警戒するトコロを、
近づいてくる足音も無視して寝たふりをした。





S「・・・見つけた。」




M「・・・・・。」




見つけた?
俺を探してたのか・・・??




なんで?




櫻井の指がサラリと髪に触れる。




女たちにチヤホヤされてデレてたんじゃねぇのかよ。
俺なんかほっといて宝探しすりゃいいだろ。




俺の前の席に座った櫻井の視線が痛いくらい突き刺さる。
なに企んでんだ・・・
野郎の寝顔見て何が楽しいんだよ。






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