好きって言わない!
第5章 初恋。
A「じゃあ行こっかな・・・
ちゃんと寝てなよ?」
N「うん・・・」
翌朝、かなり熱は下がったけど大事をとって休む事にした。
学校に行く前に俺を部屋まで送ってくれたまーくんは、もう遅刻ギリギリの時間だというのにまだ座っている。
A「あ、これクラスの子が貸してくれたんだけど。
今ドラマやってるやつの原作の漫画なんだって。
ヒマなら読む??」
枕元に漫画が入った紙袋を置いて、ベッドの端に手をついた。
まーくんが手をついた所がギシ、と音をたてて沈む。
近付いてくる顔。
N「・・・っ、」
A「お利口さんにしてろよ?」
N「・・・ガキ扱いすんな!!」
うひゃひゃっと笑って部屋を出て行ったまーくん。
俺は心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていた。
だって、スゴイ真面目な表情で顔を近付けてくるから・・・
N「・・・・・。」
ぎゅうっと枕に抱きつく。
俺・・・
なんか、変だよ。
何でまーくんにドキドキしちゃうんだ・・・
ふと、まーくんが持ってきてくれた紙袋が目に入る。
漫画って言ってたっけ。
表紙を見て少し躊躇った。
ゴリゴリ少女漫画じゃん・・・
パラパラと捲って適当に読み始めたが、さすがドラマ化されるだけある。
1巻を読み終えると、すぐ2巻を手に取ってしまった。