好きって言わない!
第5章 初恋。
今までラブストーリーを読んだ事がなかったけど・・・
主人公の女の子が恋に落ちていく過程が、なんとも興味深かった。
明らかに惚れてるだろうと思うのに、自分の気持ちに気付かずに戸惑うばかりの主人公。
バカだなぁと思いながら、応援してしまう。
母さんが用意してくれたお昼ご飯を食べてる時も、片手に漫画を持ちながら夢中になって読み進めた。
N「早く好きだって認めちゃえば良いのに・・・
自分の気持ちに鈍感すぎるよ。」
独り言を言いながら、自分の部屋に戻ってきた俺はベッドにダイブした。
N「ん?」
枕の上に放りっぱなしだったスマホが震えている。
あ、今昼休みだ!!
N「もしもしまーくん?!」
A『ちゃんと寝てるー?』
のほほんとしたまーくんの優しい声。
N「寝てるよ。もう熱ないしスッゲー暇!!
漫画借りてて良かった。」
A『そりゃ良かった。
帰りアイス買って持ってったげるね!』
やった♡
N「早く帰って来い。」
A『くふふ、待ってろって。
じゃあ、また後でね!』
あ・・・
なんだよ、もうチョット喋りたかったのに・・・
スマホをポイと放って枕に突っ伏した。
まーくんに会いたいよ・・・
せっかく同じ高校に入ったのに・・・
また、ずっと一緒に居られると思ったのに・・・
正直、クラスが違うってだけでこんなに会えないものなのかと落胆していた。
パラパラと漫画を捲っていると、主人公の女の子が泣いている。
N「・・・・・。」
会いたいと言って泣いているんだ。
声が聞きたい、抱きしめてほしいと・・・
さっきまでまーくんと電話をしていたスマホにチラリと視線を向ける。
N「俺も・・・声が聞きたい。」
電話がかかって来た時、嬉しかった。
すぐに切られて寂しかった。
N「抱きしめて・・・ほしい、かも。」
ぎゅってされながら眠ってドキドキしたけど、心地良かった。