好きって言わない!
第5章 初恋。
N「・・・・・。」
ベッドに置きっぱなしだった読み終えた巻を手に取った。
俺が主人公に感情移入しまくったのは・・・
俺も、同じ気持ちだから・・・?
N「ウソだろ・・・、」
高校入学前にグッと背が伸びて男らしくなったまーくん。
髪を染めてちょっとチャラくなったけど・・・
人懐っこい可愛い瞳は変わらなくて。
手を繋ぐとそわそわ落ち着かない気持ちになった。
肩を抱かれるともっと落ち着かなくなった。
転んでキスしちゃった時・・・
すっごくビックリして、すっごく・・・
ドキドキした・・・
15年間生きてきて、俺はまだ恋をした事が無かった。
そんなもの、興味がなかったから。
N「・・・これって、初恋ってやつ?」
そわそわする胸にそっと手をあてて、まーくんの事を考えた。
・・・会いたい。
この気持ちが恋だとするなら、
最近の俺の不調も説明がつく。
簡単な事だ。
好きな人に触れられてドキドキしたんだろう。
この漫画の主人公のように。
N「なるほどな。」
俺が初めて恋をした相手がまーくんだという事には少し驚いたけど、まぁ好きになってしまったのなら仕方ない。
熱も下がり、最近のモヤモヤもスッキリした俺はご機嫌でベッドに寝転んだ。
俺がまーくんの事好きって知ったら、まーくんビックリするかなぁ。
ゴロゴロと寝転んでいると、だんだん瞼が重くなってきた。
こんな時間に寝たら、夜眠れなくなるかも・・・
そう思っても、やっぱり睡魔には勝てなくて。
まーくんが買ってきてくれるアイスを楽しみにしながら、そっと瞳を閉じた。