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好きって言わない!

第30章 台風ジェネレーション。




M side








M「いて・・・」




お湯がしみると思ったら、膝を少し擦りむいている。
こんな硬い石の床に四つん這いになりゃ、当然だな。




お湯の中に肩まで体を沈めて、ユックリと目を閉じる。
あいつの顔がすぐに浮かんできて、慌てて目を開けた。




M「っ・・・、」




目を開けると涙が滲んできて、今度は慌てて目を閉じる。
バシャバシャとお湯を顔に掛けた。




もう嫌だ・・・
何でこんなツラくなんなきゃなんねーの?
何であいつを好きになんかなったんだよ。




体の痛みなんてどうでも良い。
擦りむいたって気にならない。
体の傷なんていつかは消えるから。




ツライのは、どこまでも愚かな自分。
あんなにムチャクチャにされたといのに、嫌いになれない。
バカじゃん、俺・・・




次は優しく抱いてくれるだろうかと考えている。
ほんと、バカだ。



だって、セックスの時はすごく優しかったのに。
優しく微笑んで、髪を撫でて・・・
まるで恋人のような扱いに、戸惑いながらも喜びを感じていた。



もし、次もこんな風に冷たくされたら・・・
ショックかも・・・




N「おい・・・」




M「っ!!」




後ろから急に声がして、飛び上がって驚いてしまった。
ぐっ・・・腰がいてぇ・・・!!




N「ちょっ、大丈夫?!」




温泉の中でうずくまった俺を見て、慌てた声が聞こえる。






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