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好きって言わない!

第30章 台風ジェネレーション。




M side




M「女でも男でも、なんだって良いんだよ。
どうでもいい。
お前に関係ねぇだろ。」




女でも男でも、誰でも良いからお前以外を好きになりたかった。




S「・・・関係あるだろうが。」




M「え・・・」




櫻井の綺麗な瞳が俺をジッと見つめる。
頬に手が添えられたかと思うと、そのまま髪を掬うように撫でられた。
その温かくて大きな手にゾクリとする。




S「お前は俺のペットだろ・・・
ご主人様の許可無く好き勝手遊ぶなんて、あり得ねーな。」




M「・・・・・。」




S「お前、生意気すぎ。
俺以外とヤッてんじゃねーよ。
いつヤッた?
それともヤられたのか?」




M「っ・・・、」




撫でられていた髪を、ギュッと掴まれる。
なんだよ・・・
ペットって、そりゃそんなふざけた賭けをしたけど、




S「分かってないんだな、自分がペットだって。
優しくしすぎた俺が悪かった。」




・・・なんか恐い。
思わず後ろに身を引いた俺を、ニッコリ笑いながら引き戻す。




S「躾ってのはちゃんとしないとダメなんだなぁ・・・
なんせペットを飼うのは初めてだから。」




どんどん俺との距離をつめる櫻井に、本気で逃げようとした時。
机にあった湯呑みを引っ掛けてしまった。




M「熱っ・・・!!」




S「あーあ。」




緑茶をかぶった俺の太ももに手を這わせながら、殊更低い声で囁く。




S「来い。ついでに洗ってやるよ。」




口元だけで笑った櫻井は俺の腕を掴んで、無理やり温泉へと連れて行った。









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