
好きって言わない!
第30章 台風ジェネレーション。
S side
・・・遅いな。
チラチラと時計を見ながら部屋をウロウロするのって疲れる。
・・・やりすぎたよ。
酷くしすぎた。
冷たくしすぎた。
セックスは相手を思って優しくするというのがモットーの俺が。
自分の欲望のままムチャクチャにして抱き捨てた。
あれはダメだ。
自分で自分に引いてるよ。
でも、あいつが俺以外とも遊んでるなんて言うから・・・
S「あああーーーっもう!!」
どこのどいつだ・・・
潤に手出しやがったのは・・・
あいつは俺のモンなのに。
S「てかマジで遅い!!」
まさか・・・
怒ってるのか??
痛いって言ってたのに無理やり奥ばっか攻めたから・・・
だって嫌がる潤の顔ってすげぇ色っぽいから興奮しちゃうんだよ。
でも、いつもなら甘い言葉のひとつやふたつ囁くところを、無理やり体勢を変えて突っ込んだ。
あれはあれで興奮したけど、される方は嫌だろうな。
しかも中出しして、そのまま放置してきたし・・・
うん、やっぱかなり最低だな・・・
躾とかいってちょっと意地悪するつもりではいたけど、完全にやりすぎた。
S「・・・謝ろう。」
ここは素直に謝らなければ。
お詫びにうんと優しくしてやろう。
ペットを飼うって難しいもんだな・・・
よし、手始めに迎えに行ってやるか。
飼い主っぽくて良い。
S「お?」
A「あ。」
部屋を出たところで、ばったり雅紀と出くわした。
S「なんだ、ニノは一緒じゃないのか??」
A「ああ・・・うん・・・」
S「どうした。」
どことなくションボリしている雅紀。
いつも元気でやかましいのに・・・
S「フラれたのか?」
A「え?!」
S「ニノは面倒くさそうなタイプだよなー。
苦労するなお前。」
