好きって言わない!
第30章 台風ジェネレーション。
M side
M「俺を飼ってくれんだろ?」
媚を売るつもりはないけどな。
片眉を上げ、自分でも腹が立つくらい偉そうに言ってやった。
S「・・・へぇ、そういう可愛いセリフも案外似合うな。」
M「・・・・・。」
可愛いときたか。
やっぱりこいつも腹が立つ奴だ。
S「ふふ、ペットか♪」
満足そうに笑う櫻井は、子どものように幼くも見えたけど。
S「ちゃんと責任持って面倒みてやるから・・・
お前はずっと俺の隣にいろ。」
M「・・・・・。」
スッと表情を変え、口元だけで笑いながら囁く。
なんか、怖・・・
M「お前、結構危ない奴だよな。」
S「そうかな?」
たまにすげぇ怖いもん。
もしかしたら、あんま深入りしない方が良いのかもしれないけど。
腕時計にチラリと目を落とした櫻井が、小さく笑った。
S「キスできるのは、あと1分だ。」
なんてこった。
無駄話してる時間がもったいねぇじゃん。
櫻井のシャツの胸元を掴んで、少し引き寄せる。
早くキスしろ。
S「・・・ほんとイイ表情するようになったよ、お前。」
まるでご褒美かのように、とろけるような甘いキスをする。
優しく微笑む櫻井に胸がきゅうっと締め付けられた。
イイ表情するのはお前もじゃん。
勘違いしてしまいそうになるから、やめてくれ・・・
この甘いキスに溺れてはいけない。
優しく頬を撫でる手に甘えてはいけない。
ちゃんと、分かってる。