好きって言わない!
第31章 selfish。
M side
N「げ。」
M「・・・・・・・・。」
ニノの反応に、思わず目を向けてしまった。
そこには、美人な女の子とキスをしている櫻井がいた。
しっかりと女の子の腰に手をまわし、相手から強引にキスされましたって感じではない。
そして・・・そっと、女の子の髪を撫でる櫻井の手。
M「・・・・・。」
・・・俺の時と一緒だ。
俺にキスする時もああやって髪を撫でるんだ、あいつは。
ニノが、チラリと俺を伺う。
それを無視して階段を戻った。
来るんじゃなかった、来ちゃダメだった。
N「松本っ・・・、」
M「なんだ?」
焦った様子のニノに、普通のトーンで返す。
動揺を悟られないように。
N「あのさ、お前・・・、」
M「誤解すんなよ。」
こんな事、いちいち気にしてたらダメなんだ。
M「別にあいつと付き合ってる訳じゃない。」
N「でも、」
M「あいつ、セフレいっぱいいるだろ?
俺もその他多勢のうちの1人だよ。」
N「なんで・・・?」
M「・・・なんでセフレなんかしてんのかって??」
好きだからだよ。
コッチ見てほしいからだよ。
たとえ、暇潰しくらいにしか思われてなかったとしても。
M「・・・お前には分かんねぇよ。」
これ以上喋ってると声が震えてしまいそうで・・・
無理やり会話を終わらせた。