好きって言わない!
第32章 青春アクセル。
S side
S「お前の瞳ってさ、綺麗だよな。
すげぇ好き。」
M「へ・・・・・」
固まる潤の瞼に、チュッとキスをする。
M「っっっっっ!!」
一気に真っ赤になった潤が可愛くて、頬にキスをしようとしたその時。
潤が思い切り俺の頬をぶん殴った。
S「いっ・・・・てぇーーーっ!!
何だよいきなり!!!」
まさか殴られると思ってなかったので、簡単に倒れ込んでしまった俺。
本気で殴りやがったなこいつ!!
くそう・・・あまりの痛みに思わず涙目になる。
M「ミーコ!!帰るぞ!!」
S「えっ?おい!!
ちょっと待て・・・何だよ急に!!」
キャリーのドアを閉めて持ち上げた潤が、キッと俺を見下ろして睨む。
M「急にじゃねぇ!!
ずっと帰るって言ってただろうが!!」
S「ええ?!でも、」
M「うるせぇ!!お前なんか大っ嫌いだ!!」
S「はぁ?!」
M「もうセックスもしねぇ!!
キスも絶っっ体しねぇ!!
二度と俺に触るな!!」
S「はぁーーーっ?!?!」
ガン!!と部屋のドアを蹴って開けると、俺を振り返る事なく出て行ってしまった。
S「・・・・・・・・・・。」
頬が痛ぇ!!
S「くそっ・・・なんだよ、あいつ!」
セックスしないだと??
キスもしないだと??
S「・・・・・・・・・・。」
二度と触るなって・・・・・
俺を見つめる大きな瞳を思い出して、胸がざわつく。
え、なんか泣きそうなんだけど。
殴られた頬を押さえながら、しばらく床から立ち上がる事もできず。
人生で初めてフラれたんだと気づくまで、かなりの時間を要した。