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好きって言わない!

第32章 青春アクセル。




S side




S「バッカだなぁ、あんなの気にする事じゃないのに。」




でも仕方ないといえば仕方ない。
惚れてる男がよその女とキスしてるなんて、そりゃご機嫌ナナメにもなるだろう。




全く面倒な奴だ。
仕方ない、あの先輩とは関係を持つ気は無いとちゃんと教えてやろう。




お茶のおかわりを飲みながら、潤に電話をかける。
何コール鳴っても出ない。




S「なぜ出ないんだ!」




そういえば、俺の電話は基本無視するんだった。
いや、メッセージもだ。
こないだわざわざブーコの写真を送ってやったのにノーレスだった。




チラリと時計を見る。
登校するにはまだ早すぎる時間だ。
でも、あいつの家に寄ってから行くなら・・・




S「ちょうど良い時間だな。」




「坊っちゃま、あまり押しまくるのもどうかと思いますが・・・」




S「意味がわからん。」




「・・・失礼致しました。」




席を立った俺に、カバンを渡してくれた彼女が何だか物凄く残念な人を見るような目をしていたのが気になったが。




S「・・・重いな!」




ブーコへのプレゼントが詰まったボストンバッグの重さに驚いた。
何が入ってんだ!!




「お車で行かれますか?」



S「いや、良い。」




よいしょ、とボストンバッグを抱えて家を出た。



あの先輩とは何でも無いと分かれば、あいつも機嫌を直すだろう。



不機嫌そうなフリをしながら、甘えるような目を向けてくる可愛い潤を早く見たかった。






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