好きって言わない!
第32章 青春アクセル。
S side
N「それに加えて、思いやりのない抱き方してんだろ?
正直俺は引いたぞ。
優しくない男なんて俺は嫌だね。」
容赦ない口撃に、俺のHPは減っていく一方だ。
再び机に突っ伏すと、ニノが呆れたように溜息を吐いた。
N「お前、松本に惚れられてると思って最近浮かれてたのか。」
S「・・・別に浮かれてなんか、」
N「ニヤニヤ上機嫌だったじゃねぇか。」
この子もうイヤだ。泣
俺のメンタルもうボロボロなんだけど!!!
N「松本にフラれた今、何でそんなにヘコんでんのかよーーーく考えてみろ。」
S「俺ってヘコんでんの?
てかフラれたとかじゃねぇし!!」
N「・・・お前、バカなんだな。」
S「はぁ?!」
N「まーくんよりバカだ。」
S「なっ・・・」
心底呆れた顔をしてるニノに、うまい事言い返せず黙ってしまう。
バカって・・・
どういう意味で言われてるんだ・・・??
N「悪いけど、俺はここまでしか言ってやんない。
自分で考えろ。
賢い学級委員長なら分かるだろうよ。」
・・・こえーよニノ。
N「以上、友達からの有難い説教だ。」
S「・・・友達、ね。」
N「なんだよ。」
考えてみれば、友達に説教されるなんて初めてかも。
S「俺と潤ってさぁ・・・友達なのかな。」
N「ん?」
S「お前と雅紀とはさ、友達だなって思うんだよ。」
バカみたいな話で盛り上がったり、こうやって話聞いてくれたり。
正直、結構気の置ける友達だなって思ってる。
恥ずかしいから言わねぇけど。
S「あいつとは・・・こんな風にちゃんと会話が続いた事とか無かったかもなって・・・
あいつ怒ってばっかだし。
あ、いや、俺が怒らせてんだけど・・・。」