好きって言わない!
第7章 させてあげる。
A「じゃあ・・・」
ユックリと顔を近付けてきたまーくんに、ドキドキして震えそうになった。
ダメだよ、余裕ぶってないと。
俺の気持ちを悟られたらダメなんだ。
N「・・・・・。」
ちゅ、と一瞬触れて離れた唇。
A「鼻ぶつかっちゃった。」
N「うん・・・」
A「もう1回・・・」
今度は、まーくんが少し顔を傾けて俺の唇に触れる。
さっきよりも、唇がくっついた感じ・・・
ヤバイ、これ。
A「にのちゃん?」
N「へ?!」
A「ぽけっとしてる。
どうしたの??」
N「な、何でもない!」
何でもなくない!!
まーくんが俺にキスしてるんだもん!!
電気ついてなくて良かった・・・
絶対顔真っ赤だ・・・
A「・・・もう1回して良い?」
N「・・・・・う、うん。」
まーくんが俺の肩に手を乗せた。
大丈夫かな、ドキドキ鳴ってる心臓の音、聞こえちゃってないかな。
もう1回、触れるだけのキスをして、耐えきれずにベッドに倒れこんだ。
まーくんも仰向けで倒れる。
A「唇ってすげー柔らかいな。」
N「・・・だな。」
A「結構・・・気持ち良いもんだな。」
N「・・・かな。」
正直ドキドキし過ぎて気持ち良いとか分かんなかった。
でも。
こないだみたいに、事故なんかじゃなくって・・・
ちゃんとしたキス、しちゃったんだ。
体がぽわぽわ熱くなって、落ち着かない。
A「にのちゃん?」
まーくんが、俺の方に体を向けた。
A「眠い?」
優しい声色で俺の頭を撫でる。
キスしたあとに、そんな優しくすんなよ・・・
N「・・・・・。」
口を開いたら好きだと伝えてしまいそうで、黙ってまーくんの胸に頭を預けた。
A「くふふ、すげー眠そうじゃん。
寝よっか・・・。」
俺を抱きしめたまま、まーくんが目を閉じた気配がした。
このまま、ぎゅってして寝てくれるんだ・・・
また、キスしようね。
心の中でそう呟いて、俺も目を閉じた。