好きって言わない!
第8章 イケメンヤンキー MJ。
翌朝、とくに気まずくなる事もなく、普通に起きてご飯食べて登校した俺たち。
あまりに普通すぎて、やっぱりまーくんは俺の事なんか何とも思ってないんだと落ち込んだり・・・してねーよ?
だって当たり前の事だもん。
俺らは幼なじみの親友なんだ。
それに、キスの練習で変に気まずくなるのは困る。
だって・・・
S「スゴイなニノ。
思いっきり誘惑してんじゃねーか!」
N「・・・別に誘惑じゃないし。
親友として、キスの練習台になってやっただけだよ。」
S「なるほど?じゃあ今後も雅紀のテクニック向上のため、キスの相手してやるんだ?」
そう。
おバカなまーくんを騙くらかして、恋人気分を味わってやるんだ。
昨夜、思いついたんだ。
どうせ叶わない恋なら、やれる事はやっちゃおうって。
N「親友だからな。
力になってやらないと。」
S「ふははっ、やっぱニノって面白い奴だな。笑」
彼女とのキスが済んでしまえば、俺と練習する事も無くなってしまうだろうから・・・
それまでにいっぱいチュッチュしてやる!!
N「今日も会えるかなー・・・。」
S「お前・・・完全に乙女じゃん。」
N「俺は男だ!!」
男を好きになっちゃったけど、俺はオカマじゃねーしホモでもない!
S「・・・なんか騒がしいな。」
N「え?」
窓際の席に座って喋っていた俺たち。
言われてみれば、なんか廊下の方が騒がしい・・・
S「なんだ?」
廊下へ向かった翔を俺も追いかける。
誰かが怒鳴ってるみたいだ。
ケンカか・・・?
「触んじゃねーよ!!」
教室のドアを開けた瞬間、1人の男が怒鳴りあげた。
教師の腕を振り払い、廊下の壁に突き飛ばす。
「松本・・・!!おとなしくしなさい!!」
N「・・・。」
松本と呼ばれたその男は、ビックリするくらい整った顔をしていた。
ハーフだろうか。
日本人離れした堀の深い顔に、長めの黒い髪。
細身の長身に長い手足。
まるでモデルのような男だった。