過激性癖短編集【BL】
第4章 枕営業
「こんにちは。増田翔真のマネージャーの松田佑樹と申します」
「わざわざありがとうございます。監督の小宮智です」
27歳という若さで売れた映画監督。
どことなく傲慢で自身に満ちあふれた嫌なオーラを身に纏っている。
「翔真くんを使ってほしいと?」
5歳年下とは思えない仮面のような笑みにぞっとする。
「はい、なんとかならないでしょうか」
はじめは出演が決まっていたのに、脚本の関係でキャンセルとなってしまうかもしれないという連絡が来たから、俺は監督が泊まっているホテルに訪れた。
「悩みどころなんすよ。今脚本が2パターンあって、どっちも割といい感じで。結構脚色違うんすけどね」