
昭和回想録
第1章 少女・優子
自転車で10分くらい走ったところに
職安(職業安定所)がある。
10月のさわやかな空気を吸いながら
職安に自転車を走らせる。
走りながら考える。
俺のやりたいことって・・・。
どんな仕事がしたいんだ・・・。
巷ではファミコンが流行りだして
子供たちがゲームに夢中だ。
テレビをつければ、
筑波での万博が開催されたり
日航のジャンボ機が墜落したり
中森明菜が大ヒットしているのを垣間見る。
何かヒントでもと考えるが
思い当たる仕事がみあたらない。
考えのまとまらないまま職安に着いたが
高卒の資格しかない俺には求人がない。
どんな仕事をしたいのかというよりも
俺にできる仕事があるのかが不安になった。
学歴がモノをいう時代。
学歴のなさに悔やんだ。
それでも、何か仕事を見つけるべく
何日もかよい続けた。
優子に会うのも我慢しながら。
しかし一向に仕事は見つからなかった。
職安から帰ってきたころの俺の部屋は
夕日が差し込み赤い色をしている。
そのころには町工場の音もやみ夜を迎えよ
うとしている。
毎日毎日、おれは同じことを繰り返している。
朝起きて職安に行き、仕事が決まらず夕方
帰ってくる。
そんな行動を幾度も繰り返している自分自
身に多少ヤケになっていた。
そんなときに優子を思い出す。
優子の小学校の運動会が明日行われること
を思い出した。
そうだ、気晴らしに運動会でも見に行くか
と考えた。
でも本当は優子に会いたい。
抱きしめたい。
朝の通学の時にしかあえない優子に
会いたい。
でも運動会だ。
会えても抱きしめるのは無理だ・・・。
でも会いたい。
会ってキスしたい。
そしてできればセックスも・・・。
到底かなわぬ行為に俺は妄想し
オナニーをして果てた。
明日は運動会。
何かを期待しながら俺は床についた。
