
昭和回想録
第1章 少女・優子
やがて6年生の競技の始まる時間が近づいた。
そろそろ行かなくては。
優子の肩を抱き誰もいないことを確認して
外に出た。
外に出たら少しだけ距離をおいて話しなが
らあるく。
優子によると、俺が就職活動をしていると
きに学校帰り俺のアパートによっていたと
いうことだった。
それと、いつもいなくて心配してくれてい
たということ。
会えなくて寂しかったこと・・・。
その一つ一つが心にささる。
俺は欲望のまま抱いてしまったことに
多少罪悪感を感じてしまった。
優子には俺の愛情を与えてあげよう。
そう思った。
まだまだ話したりないことがあるが、
会場が近づいてきたのと競技が始まりそう
なので手を振って優子を送った。
「がんばれよー!」
優子は振り返りながら満面の笑みを浮かべ
て手を振ってくれた。
嬉しかった。
だが、一人になった俺は冷静になった。
小学校で、しかもそこの生徒と俺は、たっ
た今セックスをした。
あのトイレで。
常識では考えられない行為が教育の場、学
校で行われたのだ。
その状況のキーワードが俺、がこの場にい
てはいけないことを感じさせる。
仕方のない気持ちと、もっとこの場にいた
い気持ちにさいなまされる。
やはりこの場にいてはいけない異端児なのだ。
俺はやりきれない思いで小学校をあとにした。
賑やかな歓声を背中に・・・。
