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第18章 ふがふが




#N



迎えた体育祭。



A「ぬぁーー!疲れたー!」



俺のイタズラにまんまとはまり、

朝から動きっぱなしの相葉くん。

残すところ、障害物競走と玉入れと

最後の選抜リレー。



O「ほら、相葉ちゃん、
アナウンスかかってるよ〜」


N「いってこーい(笑)」


A「うー・・・みずーー!」



ゴキュゴキュとスポドリを飲み干すと

また集合場所に走っていった相葉くん。

さすがに全競技はやりすぎたかなぁ。

今日全然一緒にいらんないし。



"次は、一年生の障害物競走です"



第1走者が走り出した。

障害物競走の最後は借り物競走になっていて、

結局そこでわちゃわちゃするのが

このレースの見所ってとこか。



第1走者が次々に帰ってきて、放送委員の

インタビュアーが借り物の中身を確認してる。

その間に第2走者がスタートに立った。



その中にはこちらに笑顔で手を振る相葉くんも。

あ、スターターの先生に注意されてる。

ふふふ、ばーか(笑)



パァン、とピストルの音が鳴り、

弾けるようにスタートを切った選手たち。

相葉くんが先頭で借り物ゾーンに入ってきた。

紙を開いてキョトン、とした後、

ダッシュでこちらに走ってきた。



A「にのちゃん!行くよ!!」


N「へ?え?っうぉ!!」




満面の笑みで手を引かれ、

なかば引きづられるように走ると

ゴール手前で相葉くんがスピードを緩めた。

?の俺を余所に、

よっ!と脇の下と膝裏に手を入れ持ち上げられた。



N「ちょ、ちょちょっと!!! 」


A「にのちゃん暴れないで! 」



不安定な体勢に、ギュッと相葉くんの首に捕まると

そのまま一位でゴールテープを切った。





N「・・・なんでお姫様抱っこなんだよ!」


A「まぁまぁ♡ 」




"1位は5組でした〜!
さて、借り物の中身はなんでしたか?"



A「"僕のお姫様"でっす♡」



N「っんな!? 」



会場が笑い声と悲鳴にも似た歓声に包まれる。



"え〜っと、、、これはセーフですか?
まぁお姫様抱っこだし!
盛り上がったし、良いでしょう(笑)!!"



パチパチと大きな拍手の中、

思いっきり相葉くんの頭をはたくと、

またドッと笑い声が起きた。

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