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第20章 まんてん
結局、なんだかんだで俺は
まーくんには甘いんだ。
N「どうせお前の知りたいようなことは
なにもないとおもうけどー?」
A「シーっ!!やっぱ屋上に向かってる! 」
もそもそとおーちゃんが教室を出たと同時に
壁に沿って尾行を開始したまーくん。
まんまと付き合わされてる俺。
俺らの思惑通り、
屋上に向かう階段をのぼるおーちゃん。
階段の踊り場の折り返しから姿が見えなくなると、
まーくんが踊り場の下までいくぞ!とこちらに
目配せをした。
カタン、と机を避けるような音。
O「…おまたせ。」
O「…ふふふ♡」
明らかに誰かと話しているような声がする。
距離的に階段の上りきったところか?
A「(…やっぱ彼女だ!彼女と話してる!)」
まーくんが目をキラキラさせながら
小声で報告してくる。
うん、俺にも聞こえてるからちょっと黙って。←
O「やぁだ、んなとこ舐めんなよ…
ふふ、…くすぐったいって♡」
A「(なんかやらしい!) 」
N「(ねぇ?彼女見えないの?)」
俺より前にいるまーくんが任せろ!と
そっと顔を覗かせると、
すぐにギョッと驚いた様子でこちらを振り返った。
N「(なに?知ってる子?)」
まーくんがブンブンと顔を横に振る。
N「(なによ?)」
A「(誰もいない…) 」
N「(へ?)」
A「(おーちゃん1人で話してる…!)」
え?なに?急に怖い話?
そろり、と俺もまーくんの横から身を乗り出してみると
重ねてある机の下に潜り込む
おーちゃんの後ろ姿が見えた。
まぁあの中に女の子がいるわけはないわな…。
A「(ちょ、にのちゃん、くすぐったい…)」
N「(わ、脇腹やめろって、あ、)」
A「わぁあ!やめ! 」
ドテっ
O「…んぇ?」
