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第20章 まんてん
それから子猫が人の手に渡るまでの間、
おーちゃんにくっついて俺たちも
猫の様子をみにちょこちょこ
屋上の階段へと足を運んだ。
いよいよ金曜日になると、
最後だから、と言って
みんなで抱っこしたり、写真を撮ったりして
別れを惜しんだ。
確かに別れを惜しんだ…んだけど、
子猫を満面の笑みで抱っこするまーくんが
あまりにも可愛くて、途中からそっちに
目が釘付けになってしまった。
カメラをまーくんにむけると、
その綺麗な横顔をこっそり待ち受けにした。
三毛猫さん、
次の飼い主さんのとこでも元気でね。
***
村上先生と子猫と別れて教室に戻る途中。
そういえば、とおーちゃんに聞いてみた。
N「屋上で書いてた絵って文化祭の展示? 」
O「あー、コンクール用だけどね、
文化祭にも展示するよ。」
来月最終週の土曜日は、この学校の文化祭だ。
前日の金曜日には前夜祭で花火も上がるらしい。
A「えー、そうなんだ…。
おーちゃんの絵、みたかったなー。」
N「え?」
A「俺、金曜から日曜まで秋季大会で
文化祭出られないんだよね〜…。」
N「えええ?そうなの? 」
ショック…
まーくんと一緒に回れると思ってたのに。
