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第20章 まんてん
#N
着々と文化祭の日が近づいてきた。
ダンボールでセットを作ったり、
暗幕を縫い合わせたり、
放課後は部活がない奴らで準備に没頭する毎日。
俺こういうの、嫌いだったはずなんだけどな。
自分でいうのもなんだけど、
今では友達も沢山出来たし。
なんだかんだこの放課後の時間、
きらいじゃない。
ほんとこの高校に来て、俺、変わったよな…
N「……ってオイコラ。なんだこれは。 」
せっかく感傷モードだったのにふざけんな。
どうして俺の衣装に猫耳が用意されてんだ。
「えーっとね、二宮くんは猫娘だから♡ 」
小道具や衣装を用意してる女子がペラペラと
手元のプリントをめくりながら答えた。
俺の手にある猫耳に、
うぉお、猫耳!と男どもから拍手が上がる。
おい、俺が猫耳って趣味の悪りぃコスプレかよ。
O「んふふ、猫耳いいじゃん♡」
いつの間にか背後にいたおーちゃんが
俺の手から猫耳を奪って勝手に装着した。
「あ、大野くんも猫耳似合う♡」
N「も、てなんだ。俺は似合わねーよ。 」
O「そんなことねーよ?ホレ。」
おーちゃんが猫耳を俺に装着し直すと
きゃぁあ♡、うぉお!とクラスメイトがどよめいた。
「うん!やっぱり猫耳は二宮くんよ! 」
「さすが姫!猫耳もお似合いでございまする!」
「なんならうんと可愛い猫娘にしましょ♡!」
俺の話のはずなのに蚊帳の外感。
わあわあと猫耳に盛り上がるクラスメイト。
もう勝手にして…(涙)
N「…ちなみにおーちゃんの衣装、何それ?」
「んーと、大野くんは………あずき洗い!」
NO「……………。」
「お客さんが入って来たら、ザルの中のあずき、
ひたすら研いでてくれればいいよ。 」←
