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第22章 つれづれ



#N



不安だった。

男の俺が、あの子に勝てるのか。



N「どうもしない…
ただシタくなっただけ。」


A「…ほんとに?」


N「…うん。ね、だから、シよ…?」



凹と凸じゃない男同士だけど、

ちゃんと俺が必要なんだって実感させて。

親にも友達にも言えない関係でいいから。




A「・・・。」


N「今度は、…ちゃんとするから。」




まーくんのためならなんでもする。

だからあの子より俺をみて。





再度まーくんの股間に手を伸ばそうとすると、

その手をギュッと捕まえられた。




A「だめだよかずくん。」


N「…なんで?気持ちよくなかった?」


A「そう言うんじゃなくて…。」




困ったように俺をみながら、諭すように。




A「…最近なんか変だよ?ちゃんと話して?」


N「…なんもない。」


A「隠し事しないって約束したじゃん。 」


N「なんもないってば!! 」


A「かずくん… 」


N「…なんで?
ただシテほしい気分なだけなんだってば…!」






まーくんは俺の腕を掴んだまま引き寄せ

ギュッと包み込んでくれた。







A「…かずくん。…今日は部屋に戻んな?」



N「…え。」



A「俺は、単なる性欲処理のために
抱くようなことはしたくない…かな。」






・・・性欲、処理








A「…ごめん、いまのは言いすぎた。」




俺を抱きしめる手が、腕が、ギュッと暖かいのに

どうしてこんなに心は冷たいんだろう。



N「…俺は、それでもいいのに。」



A「は?かずくん…? 」




体を繋げることで安心を得ようなんて

バカげてるのかもしれない。

こんな酷く浅ましい俺は、まーくんの目に

どう映ってるんだろう。



N「俺は…たとえ性欲処理でも
必要とされるならそれでいい。」



A「かずくん、何言ってんの?」



N「…ごめん。やっぱ帰る。」



A「まてよ、」



N「…じゃあね。」



A「まてってば!!!」










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