
more & more
第27章 しんしん
--R・R・R・・・
翔ちゃんと別れて、帰りの電車を待っていると
ポケットの携帯がブルブルと着信を告げた。
N「あ。」
まーくんからだ!
飛びつくように画面に指を滑らすと、
浮かれているのがバレないように
コホン、とひとつ咳払いをしてから
努めて普通を装って電話に出た。
N「…もしもし? 」
A"あ!かずくん。応援、ありがとうね。
今帰り?"
今日も含め、試合の期間は
ロクに会話もできなかったから
なんだか久々の恋人らしい時間に
キュンとする。
N「あ、うん。お疲れ様・・・!
いまから電車乗るところ…。」
A"実家?"
N「うん。」
A"えーと・・・そっか、気をつけてね"
N「うん・・・?」
それだけ?
数秒の沈黙の末、あー・・・と、
またも言い淀むまーくん。
A"…なんかさ、試合終わったら
かずくんに無性に会いたくなって! "
N「・・・///!」
A"あ!でも!でも!もしかずくんが
寮に帰るなら俺も帰ろうかなって
思ったぐらいで!全然大丈夫だから!
やっぱなし!そりゃ近いし実家帰るよね!
聞かなかったことにして!"
焦って早口でまくしたてるまーくんに
キュンキュンが止まらない。
N「・・・俺も!」
A"へ?"
N「俺も、会いたい…から、」
やっぱり寮で待ってる、そう伝えると
電話越しなのに
満面の笑みで笑うまーくんがみえた。
