痴漢電車
第9章 尚輝の秘密
尚輝「千佳、お前…」
千佳「…なに」
尚輝「まさか意識してんの?」
千佳「!?」
必死に隠したつもりだったがバレていた
じりじりと距離を詰められ
逃げられず…
尚輝「千佳…」
千佳「…」
尚輝「残念だけど今は下に親もいるから
何もしないよ」
千佳「ざ、残念じゃないし!!」
尚輝「ははは(笑)」
千佳「…」
このままじゃ尚輝のペースに乗せられる
話題を変えようと辺りを見渡した時
一枚の写真が目に入った
千佳「ねぇ、あの写真の人、誰?」
尚輝「これ?」
机の上に大事に飾られていた女性の写真
笑顔が似合う綺麗な人でもしかして
尚輝の想い人では…
千佳「もしかして好きな人とか?」
尚輝「違うよ、姉貴」
千佳「お姉さんいたんだ、私、一人っ子
だから姉弟がいるとか羨ましい」
尚輝「自慢の姉貴だったよ、去年の暮れ
に自殺したけど…」
千佳「えっ」
尚輝「…」