痴漢電車
第3章 身勝手な言い分
亘「ごめん…」
千佳「…」
亘「最初は単なる生徒の一人だったけど
友達との会話を聞いてる内に興味を持っ
て…」
千佳「友達、恭子の事?」
亘「家族や勉強の事、それから異性関係
の事…」
千佳「だから知ってたんだ…」
亘「うんっ…」
千佳「…」
ずっと謎だった
何故、名前だけではなく
プライベートな事まで知っていたのか
その理由は至ってシンプルで簡単だった
単に会話を盗み聞きしていた
だから知っていた
色々…
亘「俺に痴漢されてたって言って良いよ
自業自得だし」
千佳「言えるわけないじゃないですか…
痴漢の証拠もないし立場上、私が悪者に
なるだけですから…」
亘「そうだよね、ごめん…」
千佳「…」
亘は同僚からの信頼も厚く人気の先生で
反対に自分は何百人といる
生徒の内の一人…
証拠がない以上
信じてもらうのは難しかった…