テキストサイズ

痴漢電車

第4章 わがままな男



千佳「何で…何でそんな事…っ…」

亘「ごめん…」

千佳「私、私…先生の事、忘れようって
一生懸命頑張って…なのに…」

亘「ごめん、ごめんね…」

千佳「っうう…」


泣いちゃダメなのに
泣いたら亘を困らせるだけなのに
強く抱きしめられたら我慢出来ず泣いて
しまった…


千佳「っ…ぐすっ…」

亘「…寺田…」

千佳「…」

亘「今日、家に来ないか?」

千佳「!!」

亘「もう少し、一緒にいたいんだ」

千佳「先生…っ」

亘「…」


断ろうと思えば断れる
早く帰らないと親が心配するとか
友達と遊ぶ約束があるとか塾があるとか
あとは…


千佳「でも、彼女…」

亘「?」

千佳「ううん、何でもありません…」

亘「…」


彼女の名前を出せば断る事だって出来た
だけど千佳は言葉を呑み込み
行く事に決めた


千佳「用事が出来たって恭子に伝えてく
るんで、少し待っててください」

亘「わかった」

千佳「すぐ戻りますから」

亘「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ