
痴漢電車
第4章 わがままな男
亘「寺田」
千佳「はいっ」
亘「駐車場に車停めてあるから」
千佳「…はいっ」
亘「…」
学校から少し離れた場所にある駐車場
そこに亘の車が停めてあった
車のハイブリッド
それだ
亘「乗って」
千佳「私、後ろに乗りますね…」
亘「えっ、何で?」
千佳「だって…誰が見てるかわからない
から…」
亘「寺田は心配性だな」
千佳「先生が気にしなさ過ぎなんです、
先生には彼女がいるし、それに…」
亘「なに」
千佳「…私達は教師と生徒なんだから…
出来る限り、気をつけないと…」
亘「そうだね、ごめん」
千佳「…」
矛盾している
見られて困るならやらなきゃいい
そう思う一方、やめられない自分もいて
周りを気にしながら早足で
車に乗り込んだ
千佳「…」
亘「…」
辺りを確認しながら亘も車に乗り込み
自宅に向かってゆっくり
走り出した
千佳「…」
