痴漢電車
第5章 自分の立ち位置
千佳「…亘さん…」
亘「?」
千佳「亘さんさえ、良ければ…」
亘「…!?」
♪~(携帯の着信音)
会話を遮るように亘の携帯電話が鳴った
もしかしてと思ったが案の定
電話の相手は…
亘「…」
千佳「電話、彼女からですよね…」
亘「よくわかったね…」
千佳「…」
電話の相手は亘の彼女、芳恵からだった
千佳に気を使い出ようとしない亘
でもそれが逆に辛くて
思わず…
亘「…」
千佳「私、今日は帰ります」
亘「千佳」
千佳「先生、今日はありがとうございま
した、また学校で…」
亘「千佳っ!!」
千佳「じゃあ、失礼します…」
亘「…」
突き放すように先生と呼び学校を強調し
逃げるように部屋を出た千佳
勘違いしちゃいけない
自分は…
千佳「…っ…バカみたいっ…」
自分は生徒で亘は教師、許されない関係
亘にはちゃんと恋人がいる
割り切らなきゃ…
千佳「…」