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悪夢特捜ドリムバン

第1章 悪夢特捜ドリムバン

「ツラかったね。よく話してくれたわね」

沙織は楓を優しく抱きしめた。こんな少女の悲しみにつけ込むなんて絶対に許せない。何としてもバクの魔の手から守ってみせる。そのためにもあの空という男に悪夢特捜になってもらわなければ・・。

「ドリームはバクと戦える夢や希望の力・・あなたはドリームを持っているわ。だから、バクと戦う悪夢特捜になってほしいの」

玲子は本題を切り出した。話の流れからそうなるだろうなとは思っていたが、唐突な話に少し戸惑う。あんな化け物と戦い続けるのははっきり言って荷が重い。空は少し考え込む。

「今まではいなかったのか?その悪夢特捜ってヤツは?」

「いたわよ、超サイテーなヤツが。永久追放してやったわ」

頃合いを見計らって沙織と楓が入ってきた。沙織の超不機嫌そうな迫力に空はたじろぐ。

どうやら悪夢特捜をやってた男と沙織は恋人同士で結婚の約束までしていたのに、ソイツは女癖が悪いというのか浮気症というのか、他の女に手を出したから沙織や玲子の怒りを買って永久追放になったのだとか・・・💦

結婚の約束までしていたということは体の関係もと空が思わずいやらしいことを考えてしまったのを見越したように沙織は怒り続ける。

「嫁入り前の体を許す前で本当によかったわ。婚約者がいながら他所の女とそんなことするなんて心が汚れてドリームだって腐っているわ。そんなヤツに戦士の資格はない」

子供の前でそんな話をと思うが、楓は話の意味を知ってか知らずか顔を紅らめてくすくすと笑っている。

それにしても怒っている沙織はマジで怖い💦

体を許す前ってことは沙織ままだヴァージン?ついついそんなことを考えてしまう空の心は簡単に見透かされた。

「な~に考えてるのよ。いやらしい顔をしちゃって。ご想像のとおりあたしは汚れてなんかいないわよ。悪夢特捜としてか~っこいいとこを見せてくれたらあたしに好きになってもらえるチャンスもあるかもね」

怒っているけど沙織は可愛い。空はドギマギして赤くなる。

「い、いや、オレにはそんな下心はないよ。まだ悪夢特捜になるって決めたワケじゃないし・・」

「なによ、こんな可愛いコに言い寄られてるのに煮えきらないわね~」
沙織は少し膨れ面になる。

「いい話だと思うわよ、あなた失業中みたいだし」

沙織にたじたじになる空に助け船を出すように玲子が口を挟んだ。

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